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建通新聞掲載 2008年「経審改正」の衝撃 第7回-12月6日付-

技術力評点(Z評点)は、現行経審に準ずる内容!

2008年経審改正のZ評点では、現行の技術者の評点に加えて、新たに元請完工高の評点が評価対象に追加されます。 総合評定値を算出するZ評点のウエートも、現行の20%から25%に引上げます。

現行経審では、1級技術者数×5点、2級技術者数×2点、その他技術者数×1点を合計して求めた技術職員数値を、30段階の評点テーブルによってZ評点を求めています。このため、技術職員数値が変化しても、評点テーブルで指定された範囲内にあれば、同じZ評点を獲得できます。しかし、2008年経審改正では、グラフ1のように評点テーブルが線形式化するため、技術職員数値が増減すると、Z評点もそのまま増減します。またその線形式は評点テーブルの下端に接するように設定されるため、最小限の技術職員数で得点できているケースでは、Z評点が62点~63点減少するのでご注意下さい。

その他にも、注意が必要な変更点があります。現行経審では1人の技術者が、複数の業種で重複申請できますが、2008年改正経審では、技術者1人あたり申請は2業種までに制限されます。現状では、1級技術者1人あたり平均3.73業種で加点されており、技術職員が少ない中小建設業では、申請可能な業種数が減ってしまう可能性があります。

一方で、専門工事業の施工現場で中核的な役割を果たしている基幹技能者は、主任技術者の要件を満足しているので、法令に基づく制度化を前提に新たに3点を加点。継続的教育を受けた技術者を評価する観点から、監理技術者講習の受講者に1点を加点します。

グラフ1
グラフ1

マネジメント能力を評価する元請完工高を新たに追加

新たに業種別の元請完工高(民間工事含む)を、下限0から上限1000億円までの範囲内で、点数化します(グラフ2)。

その評点の平均値は、技術者の評点の平均値と同程度とし、技術者評点と元請完工高評点を、4 : 1の割合で加重して合計します。2008年改正経審では、総合評定値(P)に対するZ評点のウエートは25%に増加するので、技術者の評点ウエートは20%と現状維持ですが、新たに元請完工高がウエート5%で追加されます。

グラフ2
グラフ2

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