W評点(2008年度改正版)
概要
W評点は、労働福祉や法令遵守の状況といった企業の社会的な能力を評価する指標です。
算出方法
W評点の算出方法は、下記の計算式で行います。
W評点 = {労働福祉状況の点数(W1) + 営業年数の点数(W2) +
防災協定締結有無の点数(W3)
+ 法令遵守状況の点数(W4) +
建設業経理状況の点数(W5) + 研究開発状況の点数(W6)}
× 10
※上限値:1,750 下限値:0
(1) 労働福祉の状況(W1)
労働福祉の状況の点数(W1)は、雇用保険加入の有無(W11)、健康保険及び厚生年金保険加入の有無(W12)、建設業退職金共済制度加入の有無(W13)、退職一時金制度又は企業年金制度導入の有無(W14)、及び法定外労働災害補償制度加入の有無(W15)について以下により求める。
労働福祉状況(W1) = Y1 × 15 - Y2 × 30
Y1:W13、W14、及びW15のうち加入又は導入をしているとされたものの数
Y2:W11及びW12のうち加入をしていないとされたものの数
【減点評価される場合】
雇用保険の未加入(W11)
健康保険及び厚生年金保険の未加入(W12)
【加点評価される場合】
建設業退職金共済制度への加入(W13)
退職一時金制度又は企業年金制度の導入(W14)
法定外労働災害補償制度への加入(W15)
※上限値:45 下限値:-60
(2) 建設業の営業年数(W2)
- 建設業の営業年数の点数(W2)は、建設業の許可又は登録を受けて営業を行っていた年数を以下のテーブル表に当てはめて求める。
- ただし、営業休止期間は営業年数から控除しなければならない。
※上限値:60 下限値:0
区分 | 営業年 | 点数 | 区分 | 営業年 | 点数 |
---|---|---|---|---|---|
(1) | 35年以上 | 60 | (17) | 19年 | 28 |
(2) | 34年 | 58 | (18) | 18年 | 26 |
(3) | 33年 | 56 | (19) | 17年 | 24 |
(4) | 32年 | 54 | (20) | 16年 | 22 |
(5) | 31年 | 52 | (21) | 15年 | 20 |
(6) | 30年 | 50 | (22) | 14年 | 18 |
(7) | 29年 | 48 | (23) | 13年 | 16 |
(8) | 28年 | 46 | (24) | 12年 | 14 |
(9) | 27年 | 44 | (25) | 11年 | 12 |
(10) | 26年 | 42 | (26) | 10年 | 10 |
(11) | 25年 | 40 | (27) | 9年 | 8 |
(12) | 24年 | 38 | (28) | 8年 | 6 |
(13) | 23年 | 36 | (29) | 7年 | 4 |
(14) | 22年 | 34 | (30) | 6年 | 2 |
(15) | 21年 | 32 | (31) | 5年以下 | 0 |
(16) | 20年 | 30 |
(3) 防災協定締結の有無(W3)
防災協定締結の有無の点数(W3)は、国、特殊法人等又は地方公共団体との間で災害時の防災活動等について定めた防災協定を締結している場合に15点として求める。
※上限値:15 下限値:0
区分 | 防災協定締結の有無 | 点数 |
---|---|---|
(1) | 有 | 15 |
(2) | 無 | 0 |
(4) 法令遵守の状況(W4)
法令遵守の状況の点数(W4)は、審査対象年に建設業法第28条の規定により指示され、又は営業の全部若しくは一部の停止を命ぜられたことがある場合に、以下のテーブル表に基づき求める。
※上限値:0 下限値:-30
区分 | 法令遵守の状況 | 点数 |
---|---|---|
(1) | 無 | 0 |
(2) | 指示をされた場合 | -15 |
(3) | 営業の全部若しくは一部の停止を命ぜられた場合 | -30 |
(5) 建設業の経理に関する状況(W5)
建設業経理状況(W5) = 監査受審状況の点数(W51) +
公認会計士等数の点数(W52)
※上限値:30 下限値:0
(i) 監査受審状況の点数(W51)
監査受審状況の点数(W51)は、以下の区分のいずれかの場合に加点する。
※上限値:20 下限値:0
注)区分(3)の場合に確認・署名する経理実務責任者は、告示第一の四の5の(二)
のイに 規定する公認会計士等(登録経理試験1級合格者含む)である。
区分 | 監査の受審状況 | 点数 |
---|---|---|
(1) | 会計監査人の設置 | 20 |
(2) | 会計参与の設置 | 10 |
(3) | 経理処理の適正を確認した旨の書類の提出 | 2 |
(4) | 無 | 0 |
(ii) 公認会計士等数の点数(W52)
公認会計士等数の点数(W52)は、次の算式により「公認会計士等数値」を算出し、以下のテーブル表に当てはめて求める。
公認会計士等数値 = 公認会計士等の数(※1) × 1 +
登録経理試験2級合格者の数
× 0.4
※1) 登録経理試験1級合格者を含む
※上限値:10 下限値:0
年間平均完成工事高 | 項目 | 点数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
区分 | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | |
点数 | 10点 | 8点 | 6点 | 4点 | 2点 | 0点 | |
600億円以上 | 13.6以上 | 10.8以上 | 7.2以上 | 5.2以上 | 2.8以上 | ||
13.6未満 | 10.8未満 | 7.2未満 | 5.2未満 | 2.8未満 | |||
150億円以上~600億円未満 | 8.8以上 | 6.8以上 | 4.8以上 | 2.8以上 | 1.6以上 | ||
8.8未満 | 6.8未満 | 4.8未満 | 2.8未満 | 1.6未満 | |||
40億円以上~150億円未満 | 4.4以上 | 3.2以上 | 2.4以上 | 1.2以上 | 0.8以上 | ||
4.4未満 | 3.2未満 | 2.4未満 | 1.2未満 | 0.8未満 | |||
10億円以上~40億円未満 | 2.4以上 | 1.6以上 | 1.2以上 | 0.8以上 | 0.4以上 | ||
2.4未満 | 1.6未満 | 1.2未満 | 0.8未満 | 0.4未満 | |||
1億円以上~10億円未満 | 1.2以上 | 0.8以上 | 0.4以上 | - | - | 0 | |
1.2未満 | 0.8未満 | - | - | ||||
1億円未満 | 0.4以上 | - | - | - | - | 0 |
(6) 研究開発の状況(W6)
- 研究開発の状況の点数(W6)は、研究開発費の額の平均の額を以下のテーブル表に当てはめて求める。
- ただし、会計監査人設置会社において、会計監査人が当該会社の財務諸表に対して、無限定適正意見又は限定付き適正意見を表明している場合に限る。
※上限値:25 下限値:0
区分 | 平均研究開発費の額 | 点数 | 区分 | 平均研究開発費の額 | 点数 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(1) | 100億円以上 | 25 | (14) | 11億円以上 | 12億円未満 | 12 | |
(2) | 75億円以上 | 100億円未満 | 24 | (15) | 10億円以上 | 11億円未満 | 11 |
(3) | 50億円以上 | 75億円未満 | 23 | (16) | 9億円以上 | 10億円未満 | 10 |
(4) | 30億円以上 | 50億円未満 | 22 | (17) | 8億円以上 | 9億円未満 | 9 |
(5) | 20億円以上 | 30億円未満 | 21 | (18) | 7億円以上 | 8億円未満 | 8 |
(6) | 19億円以上 | 20億円未満 | 20 | (19) | 6億円以上 | 7億円未満 | 7 |
(7) | 18億円以上 | 19億円未満 | 19 | (20) | 5億円以上 | 6億円未満 | 6 |
(8) | 17億円以上 | 18億円未満 | 18 | (21) | 4億円以上 | 5億円未満 | 5 |
(9) | 16億円以上 | 17億円未満 | 17 | (22) | 3億円以上 | 4億円未満 | 4 |
(10) | 15億円以上 | 16億円未満 | 16 | (23) | 2億円以上 | 3億円未満 | 3 |
(11) | 14億円以上 | 15億円未満 | 15 | (24) | 1億円以上 | 2億円未満 | 2 |
(12) | 13億円以上 | 14億円未満 | 14 | (25) | 5,000万円以上 | 1億円未満 | 1 |
(13) | 12億円以上 | 13億円未満 | 13 | (26) | 5,000万円未満 | 0 |
改正による変更点
改正による主な変更点は、下記の内容です。
◇評価項目の見直し
- 労働福祉の状況や防災協定の締結、営業年数等について加点・減点の幅を拡大するとともに、W全体の評点を引き上げ
- 法令遵守状況を評価対象に追加
- 会計監査人の設置等、経理の信頼性向上の取組みを評価
◇評価項目の評点分布
- 評点の上限を引き上げ、社会的責任の果たし方によって評点に差がつくよう評点テーブルを設計
- 法令遵守状況を評価項目に加える一方、自己申告による評価項目(工事安全成績・賃金不払状況)を廃止
【旧経審】
【2008年度改正】
出典:国土交通省総合政策局建設業課「経営事項審査制度の改正について(2008/1/31)」